「冒険の書」に導かれ…謎解きしながら「妙高はねうまライン」沿線の妙高市・上越市を巡ろう! 物語仕立てのガイド冊子を制作・無料配布
新潟県妙高市の妙高文化振興事業団は、えちごトキめき鉄道「妙高はねうまライン」の10駅を出発点に、町巡りとゲームを融合させた遊歩型ツアープロジェクト「演劇クエスト はねうまのマレビト」を制作した。行き先を導く冊子「冒険の書」を発行し、妙高市や新潟上越市にある沿線の駅などで無料配布している。関係者は「楽しみながら普段は見過ごしている地域の魅力に気付いてほしい」と話している。
演劇クエストは、世界を旅してアーティスト活動をする「orangcosong(オランコソン)」のメンバーら3人による取り組み。東京やタイ、ドイツ、南アフリカなど13の都市・地域で制作され、「はねうまのマレビト」は25作目。妙高文化振興事業団が指定管理する妙高市文化ホールの開館40周年記念事業として制作した。
タイトルの「はねうまのマレビト」は、春先に妙高山に現れる雪形「跳ね馬」を冠した路線名と、稀(まれ)に来る人や客人を意味する「マレビト」を組み合わせた。
舞台となる10駅それぞれに物語を設定。祖母が残したはがきをきっかけに上越市の直江津駅に降り立った女性や、英語教師としてアフリカから来た男性などの「マレビト」を主人公にしている。物語を読み進めながら、参加者が行き先を選択したり、ストーリーの続きにつながるヒントを見つけたりする謎解きの要素も含んでいる。
冊子の配布を始めた9月中旬には、妙高市の新井駅でトークイベントが開かれ、オランコソンの住吉山実里さん(37)と藤原ちからさん(46)が、足かけ5年かけて妙高と上越の両市をリサーチしたことを振り返り、「新たな視点で町を見るきっかけになるとうれしい」などと語った。
演劇クエストの参加者による「冒険者の集い」も新井総合コミュニティセンターで開かれた。二本木駅の物語をたどった妙高市の自営業の男性(60)は「物語に入り込んで町を歩くので、知っている場所なのに旅をしているみたいだった」と振り返った。
冒険の書は3千部を作成し、はねうまラインの有人駅や妙高市文化ホールなどで無料配布している。問い合わせは妙高文化振興事業団、0255(72)9411。
記事参照元:北陸・信越観光ナビ