陸自と英陸軍の関山演習場での合同訓練 市民団体などが「中止」求め上越市に申し入れ
新潟県上越市中郷区と妙高市にまたがる関山演習場などで2023年11月15〜19日に陸上自衛隊と英陸軍が合同訓練を行うことを受け、市民連合・上越や上越市平和委員会などでつくる「日英共同訓練に反対する上越共闘会議」は13日、訓練の中止を国に要請するよう上越市に申し入れた。
合同訓練は10月に発効した、自衛隊と英国軍の往来や装備品持ち込みなどの手続きを簡略化し互いの法的地位を定めた「円滑化協定」が初めて適用される訓練。上越市によると、同演習場では陸上自衛隊200人、英陸軍200人が参加し、陸上自衛隊が普段実施しているのと同程度の射撃訓練が予定されている。航空機や英陸軍の軍用車両の使用はなく、英陸軍は陸上自衛隊の大型バスで移動し、演習場外に外出する予定はないという。
合同訓練実施を受け今月1日、上越市の小田基史副市長と妙高市の城戸陽二市長がさいたま市の防衛省北関東防衛局を訪れ、二又知彦局長に対し、安全に訓練を実施するよう口頭で要望している。
今回、上越市に申し入れを行った共闘会議は市民連合・上越、上越市平和委員会、新日本婦人の会上越支部、日本共産党上越地区委員会の4団体で構成。訓練は戦争放棄をうたった憲法9条に違反しているほか、円滑化協定には英軍による事故があった場合などの詳細は取り決めがないなどとして、訓練中止を国に要請することのほか、あらかじめ訓練の詳細を同市に連絡するよう国に求めること、同市が行った要望が履行されるのか監視することなどを申し入れた。
市民連合・上越の片岡豊代表は「日英という形で合同演習をやる、あり方自体が憲法に照らしても問題がある。国に対し上越市が主体的に反対の姿勢をとってほしい」と述べた。
申し入れ書を受け取った市川重隆防災危機管理部長は「市民の安全を確保した上で訓練が行われるというのは、米軍であろうと、英軍であろうと、自衛隊であろうと絶対的な原則。訓練内容に変更があれば、事前に直ちに通報があることは担保されている」と述べた。
記事参照元:上越タウンジャーナル