昭和からやってきた!?げた履きに法被姿で拍子木ちょんちょん♪ 新潟上越市の「紙芝居おじさん」、自在な語り口で心つかむ

ピアノに合わせて紙芝居を披露する横手正実さん=上越市黒井
ピアノに合わせて紙芝居を披露する横手正実さん=上越市黒井

 新潟県上越市の職員、横手正実さん(57)が、自転車の荷台を使った昔ながらのスタイルで紙芝居の上演活動をしている。横手さん扮(ふん)する「紙芝居おじさん」は法被姿にげたを履き、拍子木で客を集めるこだわりよう。出演依頼があれば休日のイベント会場に顔を出し、世代を問わず観客を楽しませている。

横手さんは埼玉県狭山市出身。旧安塚町(現・上越市安塚区)の豪雪を生かしたまちおこしをテレビで見たのがきっかけで大学卒業後、町職員となった。市町村合併で上越市職員になってからは市立水族博物館、上越科学館、直江津図書館と、社会教育分野での勤務が長い。

面白いと思ったら実行に移す。2002年、町職員時代、安塚を訪れたことがある冒険家の舟津圭三さんに誘われ、北極点を踏破したこともあり、今も講師として招かれると当時の挑戦の様子を写真を交えて紹介している。

紙芝居は、4年前、昔の暮らしをテーマにした市立歴史博物館での企画展でヒントを得た。「面白そうだからやってみようよ、と周囲に声をかけていくうちに気が付いたら言い出しっぺとして自分が紙芝居屋になっていた」と笑う。

当時は直江津図書館の副館長。東京・下町のプロの紙芝居師に1日限定で“弟子入り”し、紙の抜き方や声の調子など、物語に引き込む技を学んだ。

図書館にある紙芝居と「舞台」と呼ばれる木製のフレームを借り、休日に市内のイベントなどで披露して回る。「立ち止まってくれた人の反応を見ながら、その場で空気感を作っていけるのが魅力」。いでたちは昭和初期に街頭で駄菓子を売った「紙芝居屋さん」をイメージ。鬼気迫る語り口で観客を圧倒する場面もあれば、最前列の子どもと受け答えしながら進行することもある。

今春、高田城址(じょうし)公園のオーレンプラザ副館長に着任した。音楽イベントも多い職場に来たからにはと、「ピアノ紙芝居」を企画。市内のピアノ奏者池田真喜さんとオーレンプラザのエントランスで共演したことを皮切りに、最近は声がかかったイベントなどに2人で出向き、迫力ある読み聞かせを披露している。

持ちネタの一つ、頸城区に伝わる大池・小池の伝説の紙芝居では、カメや大蛇が登場する場面で即興のピアノで大きな効果音が加わり、臨場感たっぷりに演じている。

横手さんは「紙芝居というアイテムを使って時には館内を飛び出し、つながりを大切にいろんな人とまちを楽しく盛り上げたい」と意気込んでいる。

記事参照元:新潟日報デジタルプラス

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