サッカー元日本代表の中村憲剛さんがトークで盛り上げ 上越市で開催中の「大塚いちお展」

新潟県上越市本城町の小林古径記念美術館で2024年9月22日、同市出身のイラストレーターで展覧会開催中の大塚いちおさん(55)と、Jリーグ川崎フロンターレで長年活躍した元日本代表の中村憲剛さん(43)によるトークイベントが行われた。幼少期や現役時代の経験と学び、仕事への向き合い方など、笑いを交えながら語った。

小林古径記念美術館で開かれた大塚さん(左)と中村さんのトークイベント

NHK・Eテレの幼児向け番組「みいつけた!」のアートディレクションなどを手掛ける大塚さん。川崎フロンターレとは「ファミリーアートディレクター」として、シーズンユニフォームやグッズをデザインするなど縁がある。同館で開催中の「大塚いちお展」にも関連展示があることから、プロデビューから引退までチーム一筋に18年所属し、大塚さんとも交友がある中村さんをゲストに招いた。

東京都出身で小学1年生から本格的にサッカーを始めた中村さんは、中央大学卒業後の2003年にプロデビュー。ポジションはミッドフィルダーで、2006年から2016年までは日本代表としても活躍した。2020年の引退後はサッカー中継の解説やニュース番組のコメンテーター、後進育成など幅広く活動する。

幼少期の経験や現役時代の学びなどを語る中村さん

イベントでは集まったファンら約70人を前に、幼少期の性格や練習環境、プロを目指したきっかけからデビューまでの道のり、現役時代の学びなど約2時間赤裸々にトーク。少年団時代は「ボールを蹴るのが好きで、のめり込んでいった」一方、選抜チームで他選手との壁を感じ、中学1年で一時サッカーを辞めた挫折も明かした。自身にとっての「暗黒期」としつつも、「どうすればサッカーが楽しくなるか考え、プレースタイルが変わっていくきっかけになった。中村憲剛という選手のベースが出来た時期だった」と振り返った。

日本代表に選ばれるまでに成長した現役時代は「ずっと自分に期待し、できないと思ったことない。やった結果だめでもいいけど、できないからやらないという選択肢は取らなかった」と言う。指導者としては「すぐにうまくなる方法を聞かれるけど、質は量をこなさないと見えてこない」とアドバイス。インサイドキック一つでも「何万本と蹴る中でここという1か所を見つけていく」と練習で一部だけ固くなった足を見せ、大塚さんが足に触れると「おじさんがわちゃわちゃしてすみません」と笑いを誘った。

中村さんの足を触り「ぽこっとなってる」と大塚さん

また大塚さんがコラボしアートディレクターに就任するきっかけになった川崎フロンターレのイベントでは、「みいつけた!」に登場する「オフロスキー」の弟を演じ、その後番組にもゲスト出演した経験がある。「プロサッカー選手の仕事の中でベスト3に入る。当時子供たちが幼稚園児で、他の子たちにはサッカー選手として認知されていなかったけど、番組に出た瞬間『オフロスキーだ!』と言われすごいと思った」と軽快なトークで場を盛り上げた。

オフロスキーの弟「オフロンスキー」を演じた仕事を紹介
来場者からの質問も笑顔で答えた

来場者からの質問に答える時間も設けられた。サッカー観戦が好きだという市立直江津南小5年の男児(11)は「話が面白くくるぶしも見られてよかった。サッカーをやってみたいと思った」と笑顔。小学生の息子がサッカーをしているという同市の女性(36)は「『できないことはだめじゃない。できるように努力することは無駄にならない』という言葉が印象的だった。息子にも伝えたい」と話していた。

展覧会での川崎フロンターレに関する展示。中村さんのサイン入りユニフォームも


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記事参照元:上越タウンジャーナル