「うみてらす名立」と「よしかわ杜氏の郷」民営化へ 上越市が方針 持ち株会社も整理へ
新潟県上越市は2021年12月24日、3セクの持ち株会社「Jホールディングス」傘下で、名立区の「うみてらす名立」を運営する「ゆめ企画名立」について、日帰り温浴施設やホテルなどを運営するBJ(本社、長野市)に全株式を譲渡し、民営化することを明らかにした。Jホールディングスも、解散を含む抜本的整理を行う。日本酒製造を行う吉川区の3セク「よしかわ杜氏の郷」も民間譲渡の方針。
うみてらす名立は長野市の会社に
うみてらす名立は、国道8号沿いにあるホテルやプール、レストランなどがある市の大型観光施設。ゆめ企画名立は指定管理者として同施設を運営してきたが、来年4月以降の指定管理者にBJが選ばれた。
BJはグループ会社の運営コンサルを手掛け、長野市の道の駅や日帰り温浴施設などの指定管理も行っている。うみてらす名立の事業提案では、道の駅ランキングベスト10入りを目指し、地場物産館の改革のほか、本社一括の管理業務でサービス向上や経費削減を図ることなどが評価された。
ゆめ企画名立は2022年にBJの100%子会社となり民営化される予定で、現在の従業員は全員引き継がれるという。
Jホールディングスも抜本整理へ
ゆめ企画名立など7社を傘下に設立された同市出資の3セク持ち株会社、Jホールディングスは、キューピットバレイと三和振興が今年までに解散し、ゆめ企画名立を民間譲渡することで、事業会社が4社となる。市は持ち株会社としてのメリットが発揮できないとして、来年度以降、解散を含む抜本的な整理に着手する。
よしかわ杜氏の郷も譲渡先選定へ
市が出資する3セク、よしかわ杜氏の郷は、1999年の設立当初からの日本酒需要の下降と、新規参入のため販路拡大や生産・販売量の増加が進まず、厳しい経営が続いていた。市が設置した有識者による評価委員会からは、民営化の検討を強く指摘されていた。
市は民間譲渡に向けて来年1月から具体的な協議に入る。地元吉川区や市内企業への譲渡を優先させる方針で、想定するスケジュールは2022年6月に売却先の公募を開始し、9月には優先交渉者を決定。10月に譲渡契約を結ぶ計画としている。
記事参照元:上越タウンジャーナル