[地域ビズ]町の薬局、駄菓子屋との「二刀流」 上越市・「昭和の薫り」で若い世代を誘客

10円のチョコや30円のラムネ、お菓子が当たる50円のくじに目移りしている子どもの横を処方せんを手にした高齢者が通り抜ける。

昨年11月、新潟県上越市高田地区の商店街にある「いわしや薬局」(同市本町3)内に駄菓子屋ができた。夕方には親子連れや子どもたちでにぎわう。

創業1889(明治22)年。そんな老舗がなぜ、いま駄菓子屋なのか。

「この商店街にも昔は駄菓子屋がいくつかあったけど、店主の高齢化などで閉じてしまった。子どもたちが集える場所がないのは寂しい。にぎわいづくりの一助になれば」と店主の町田安彦さん(54)は説明する。閉鎖した化粧品コーナー15平方メートルを改装した。

駄菓子のほか、20円のスーパーボールなど約100種類が並ぶ。商品は子どもが買いやすいよう原則50円以下とし、10円単位の区切りが良い値段に設定。価格も店の雰囲気も昭和の駄菓子屋のようだ。

来店した上越市の中学2年生(13)は「駄菓子が好きなので近くに店があってうれしい。安いからたくさん買ってしまう」とにっこりしていた。

駄菓子屋のオープンで、ベビーカーを押す若い女性など今まで薬局に来店しない客も来るようになった。実はこれが狙いでもある。「子どもを通じて町の薬局に来なかった子育て世代の来店につなげ、店全体の売り上げを底上げできれば」と町田さん。

薬局も駄菓子屋も営業時間は日曜祝日を除く午前8時30分〜午後6時30分。問い合わせは、025(524)4303。

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記事参照元:新潟日報デジタルプラス

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