屈指の攻撃力磨きV 春高の舞台へ決意新た 上越総合技術 全日本高校バレー県予選男子決勝

第75回全日本バレーボール高校選手権(春高バレー)県予選は3日、男女決勝が新潟市東総合スポーツセンターで行われ、初めての上越勢対決となった男子決勝は上越総合技術が関根学園を3―1で破り、6年ぶり18度目(前身の高田工時代を含む)の優勝を果たした。新井雄大(現VリーグJT)を擁した2016(平成28)年度以来、6年ぶりに春高(来年1月4~8日、東京体育館)の舞台に戻る。

表彰式後、一緒に記念撮影する上越総合技術(えんじ)と関根学園(赤)のメンバー。小中時代から対戦を重ね、先のヤングバレー全国大会では「上越クラブ」の主力として全国制覇を経験した選手も多い

 攻撃力の高さ・強さは決勝の舞台でもいかんなく発揮された。エース松木太一(2年)、神戸開(3年)を中心とする多彩でパワフルなスパイクに、うなりを上げるようなジャンプサーブ。同地区のライバル、関根学園の守備やリズムを崩し、主導権を握った。
松木知寿監督(48)は「インターハイ予選(県高校総体)で優勝できず、ここは選手たちの力を信じていた。最高です」とインタビューで声を弾ませた。練習では数字にこだわり、ジャンプサーブなどのスピードを計測して、選手のモチベーションを高めてきた。県外遠征では埼玉の強豪校の監督から「全国上位の攻撃力がある」と評されるほど、磨いた攻撃力は屈指となった。
全国舞台を目指して上総に入ってきた選手たちを、6年ぶりに春高の舞台に連れて行ける。インターハイは2019(令和元)年に出場しているが、春高は自身就任して5年目で初となる。「優秀な選手をいただいているのに、春高にずっと出られなかった。今年こそはと思っていたので、勝ててうれしい」と実感を込めて話した。

優勝を決め、ガッツポーズで歓喜を表す上越総合技術・松木知寿監督(左)。選手たちは笑顔と涙で駆け寄り、胴上げが始まった。指揮官は試合中も随所に選手たちを鼓舞した

 チームキャプテンとして支え、第4セットの終盤にピンチサーバーで連続得点し、優勝への流れをつくった川村彪(3年)は「みんな、素晴らしいプレーをしてくれて感動している。心強い後輩たちが入ってきてくれて、チームとして一つになった。県の代表になったからには一戦一戦をものにして、全国の上位に食い込んできたい」と春高の舞台に思いをはせた。
監督との親子鷹が注目され、力強いスパイクとサーブでチームを引っ張った松木は「困った時は自分に上がってくると思ったので、打ち切る気持ちだった。3年生のために春高でプレーしたい。これからもっとチームが大きくなって、春高でいいプレーを見せられるように頑張りたい」と決意を表した。
◇初の決勝進出で足跡 次は頂点目指し奮起 関根学園
関根学園男子は全ての県大会を通じて初めての決勝に進出。第1、2セットを取られ、後がなくなった第3セットを取り返し意地を見せたが、及ばなかった。前日の準々決勝、準決勝では持ち前のコンビバレーやブロックが決まり、準決勝で県高校総体覇者の第1シード、新発田中央をストレートで破るなど快進撃を続けたが、上越総合技術の攻撃力に屈した。

第4セット、上越総合技術・太田汰一(左)のスパイクに対し、ブロックに飛ぶ関根学園の立原暖己(3番)と三浦遼也(5番)

 選手や指導者としても在籍した母校と決勝の舞台で対戦した春日正史監督(38)は「初めてで、経験値のなさが出た。選手たちはかなり緊張していて硬かった。自分たちの目指す7割もできなかった。第3セットを取り、フルセットまでいけるかなと思ったけど向こうの方が経験値、実力も一枚上だった」と潔く話した。
春日監督が指導し6年目でめきめきと力を付けてきた。上越地域や長野県北信地方の選手たちも入るようになり、地区内で上越総合技術に対抗するチームとして成長してきた。今年の県高校総体ではベスト4と着実に実績を積み重ねてきた。
試合後のミーティングで春日監督の話を聞いて涙を流した吉越寿輝斗主将(3年)は「今までやってきた仲間とできなくなるのは悲しい、寂しい。春日先生のもとで勝ちたいと思って、関根学園に入った」と話した。春日監督は「(決勝での対戦に)感慨深いものはあるが、関根学園で頑張ると決めたのは、母校を倒したいと思ったから。そこに向けて私も頑張らないと。今後目指すところは一つ(県制覇)にしぼられたので、1、2年生が奮起してくれると思う」と表情を引き締めた。
攻守の中心で支えた赤塚結(3年)は「後輩の方が優秀なので、もっと上にいける。準優勝を自信にもっと頑張ってほしい」と1、2年生に期待した。中学までのバスケットボールから転向した立原暖己(3年)は「決勝で自分の仕事はちゃんとできなかったが、バレーをやって良かった」と振り返った。
◇長岡商に雪辱 笑顔で決意 女子、新潟中央
○…女子決勝は新潟中央が、長岡商の5連覇を阻み、初優勝に輝いた。昨年の決勝でフルセットの末に敗れた雪辱を果たした。主将としてけん引した能登杏菜(3年、能生中出)は「長岡商にずっと負けていたので、(悔しさを)晴らすことができてうれしい。全国大会では相手は強くなると思うが、その中で自分たちらしさを発揮して頑張ってきたい」と笑顔で話した。飯田来夢(3年、牧中出)もレシーブの要、リベロで守備を支えた。

記事参照元:タイムスLite

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