製品カルテ電子化 開発、販売しIT事業化 新たな収益核目指す カワイ精工

「Mold X」を説明する川合専務(左)。川合社長は「第2の収益核に」と期待する(画像の一部を加工しています)

精密プラスチック金型製造のカワイ精工(上越市三田)が、システム開発、ソフトウエア販売などIT事業を本格化する。製造業向けの製品カルテ管理システムを開発し代理店を通して販売、中小企業への浸透を図る。製造業ならではの「気づき」を生かしたシステム開発で「第2の収益核」づくりに挑む。

製品名は「Mold X」。自社システムを汎用(はんよう)化したもので、製品情報や構成部品、部品や原材料の調達先、不具合の修正履歴、収支などを一元管理する。中小製造業ではデータが紙で保存されていることが多く、ニーズがあると判断した。

「Mold X」はブラウザーソフト上で起動するため、オペレーティングシステム(OS)を選ばない上、スマートフォンやタブレット型端末でも検索、入力作業が容易。システム開発部門を担当する川合忠実専務は「音声入力も可能で、デジタル機器に不慣れでも問題ない。導入により製造部門の統計、分析に役立つはず」と話す。

川合専務は県外のIT企業勤務を経て6年前に入社。自らもシステム開発を手がけ、生産性向上や働き方改革に資する社内システムを自ら設計、構築してきた。「地域のIT活用、推進に貢献したい」と上越公務員・情報ビジネス専門学校の講師も務める。

開発は専従3人と製造部門との兼任3人の6人体制。デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進するJマテ.カッパープロダクツ(大潟区)との購買発注管理システム共同開発のほか、独自にロボティックス・プロセス・オートメーション(RPA)の導入支援業務を進める。来春は高校と専門学校から2人をIT技術者として採用する予定だ。

川合忠昭社長は「金型は今まで培った技術がある。システム開発は拡大させる。時代に合った事業形態を模索していく」と話した。

記事参照元:タイムスLite

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