多様性への理解発信 活動の幅広げる アール・ブリュット アーティスト佐藤葉月さん(39)

「アール・ブリュット」アーティストの佐藤さん。創作を通じて思いを伝え続けている(18日、ふふふのお店)

妙高市在住の佐藤葉月さん(39)は障害者によるアート活動「アール・ブリュット」のアーティスト。近年は全国的な公募展への出展・入賞、障害者アートに関するシンポジウムでパネリストを務めるなど、活動の幅を広げている。

佐藤さんは発達障害の一種で、対人関係の難、特定分野へのこだわりなどの特徴があるとされる「自閉症スペクトラム」の当事者。32歳で診断を受け、自身ができること、社会との接点に悩む過程で「アール・ブリュット」と出合い、創作活動を開始した。

円や曲線で幾何学的な模様を描くのが佐藤さんの作風。何に見えるかは人それぞれで、鑑賞する人に捉え方を楽しむというアートならではの体験を提供している。

本年度からは上越地域を中心としたアーティストらの作品を展示・委託販売する「ふふふのお店」(上越市西城町2)の店長に就任し、その魅力発信に力を注いでいる。また小学校の総合学習へも協力。同年度は6校に赴き、児童たちにアートの楽しさ、「多様性」の大切さを伝えている。

「障害のある人は『心がきれい』といった(理想論的な)評価があるが、これは一面的であると思う。実際は障害のない人と同じく複雑多様」と話す佐藤さん。「これからは作品と合わせ、講演活動などを通じて言葉でも自分の視点を伝えていきたい」と意欲を示す。

◇21日放映番組で取り組み紹介

21日午前8時55分から、NHK(Eテレ)の番組で佐藤さんの取り組みを紹介。創作活動の一端に触れることができる。

記事参照元:上越タイムス電子版