東京からの移住後押しする新潟上越市の「移住・就業支援金」利用倍増 2023年度は31件 要件緩和、新型コロナウイルスの5類移行背景か

新潟県上越市が東京からの移住を後押しするために設けている「移住・就業支援金」の利用件数が伸びている。

2023年度は31件と22年度の18件から2倍近く増えた。利用条件が緩和されたことや、新型コロナウイルスの5類移行で人の動きが活発化したことが背景にあるとみられる。
市は「子育て世代の利用が目立つ。U・Iターンを検討している人に有効に活用してほしい」と呼びかけている。

 

移住・就業支援金は国の交付金を活用し、2019年度に始めた。東京23区に在住、または通勤していた人が県の就職マッチングサイトに掲載され、支援金の対象となる企業に就職するなど、一定の条件を満たした移住者に支給する。

市内への進学や転勤は対象外。住民票を移す直近10年のうち5年以上、23区に在住、または通勤し、上越市に5年以上居住する意思があるなどの要件をクリアする必要がある。

2人以上の世帯は100万円、単身者は60万円。18歳未満の子どもがいれば1人100万円、18歳以上40歳未満の人がいれば10万円をそれぞれ加算する。4人家族で18歳未満の子ども2人と両親のどちらかが40歳未満の場合、310万円になる計算だ。

19、20年度は現在より条件が厳しかったため、利用がゼロだったが、要件が緩和され、21年度は12件、22年度は18件に増加した=グラフ参照=。

23年度は当初18件分の予算を計上していたが、想定を上回るペースで申請があり、市は予算を追加して対応した。24年度は23年度と同水準の30件の申請を見込んでいる。

市産業政策課は「感染禍が落ち着いたことも利用者を押し上げたとみられる。転入者が転出者を上回る社会増に向け、制度のPRに努めたい」としている。

記事参照元:新潟日報デジタルプラス