コウノトリ電柱で営巣 国の天然記念物 住民ら見守る
上越市内の集落で、国の特別天然記念物のコウノトリが電柱に巣を作っている。コウノトリのつがいが交尾する様子や、巣材の枝を運ぶ姿が確認されており、住民らは静かに見守っている。
巣は地上約11メートルの電柱の先端にあり、木の枝などを組んで直径1メートルほどの大きさに作られている。
コウノトリは近年、県内への飛来数が増加。「日本野鳥の会新潟県」によると今回の繁殖行動は県内2例目で、繁殖に成功すれば県内初となる。同会会員で上越市滝寺の勝俣将明さん(60)は「コウノトリも生きるため環境に適応してきている。上越市の環境が良いのだろう」と話した。
趣味で鳥類の観察や写真撮影を行っている、大潟区九戸浜の中嶋浩さん(77)は数日前、巣の近くに住む友人から話を聞き、営巣活動を確認。コウノトリは巣と杉林の間を何度も往復しながらせっせと小枝を口にくわえて運び、巣作りに励んでいたという。中嶋さんは「愛鳥家にとってはとてもうれしい。『上越産』のかわいいコウノトリの誕生を願っている」と話した。
東北電力ネットワークは、垂れ下がった枝で停電することなどがないよう、電線に防護管を設置。上越市からの保護要請もあり、対策を講じて繁殖活動を見守るとしている。
記事参照元:上越タイムス電子版