地震被害の現況知って 上越市内の歴史的名家4邸 5月11、12日に一斉公開 上越名家ネットワーク

被害が大きい懐徳亭の前で作業する瀧本理事長

NPO法人上越名家ネットワーク(瀧本宜弘理事長)は、元日の能登半島地震の影響が残る中、5月11、12の両日に上越市内の歴史的名家4邸を一斉公開する。

恒例イベント「上越名家一斉公開」の春の公開が行われるのは頸城区森本の白田邸、同区百間町の瀧本邸、三和区神田の林富永邸、同市戸野目の保阪邸。いずれも江戸時代から続く、歴史ある建物や庭園が残る。公開は春、夏、秋の年3回。

それぞれにかつて地主や庄屋などを務め、広大な屋敷は多くの人手で維持されてきた。現在は当主が地域などの協力で整備に努めている。特に春の公開は冬場の倒木など準備が大変な上、今年は地震の被害に見舞われた。

瀧本理事長の瀧本邸では正門の扉が外れたり、塀が傾いたり、壁のしっくいが剥がれたりした。特に離れの「懐徳亭」の被害が大きく、瓦が落ちてはりが外れ、建物全体が揺れの力でゆがんだ状態になった。専門家に調査を依頼する予定だが、「直すところが多く、元に戻るかどうか。元に戻したとして、その後どうするかという思いもある」と話す。

ほかの3邸も被害を受け、各当主が集まって春の公開をどうするかを相談し、実施を決めた。瀧本理事長は「公開して(被害を受けた)現況を知ってほしい」と思いを語る。公開時間は午前10時から午後4時まで。入場料は維持協力金として各邸500円(高校生以下無料)。地震の影響で立ち入りできない箇所がある。

記事参照元:上越タイムス電子版