陸上自衛隊高田駐屯地音楽クラブが活動終了 地域との架け橋に音色響かせた67年

60年以上にわたって地域と陸上自衛隊高田駐屯地(新潟県上越市)との架け橋として音楽演奏を披露してきた「高田駐屯地音楽クラブ」が2024年7月25日、活動を終了した。同駐屯地の隊員や家族、地元住民などが参加した同駐屯地サマーフェスタで最後の演奏を行い、クラブ隊員12人が感謝の音色で会場を沸かせた。

最後の演奏を披露する高田駐屯地音楽クラブの隊員

同駐屯地によると、高田駐屯地音楽クラブは1957年に旧海軍音楽隊に所属していた宮越篤俊氏の指導の元、音楽隊として発足。以来、67年間にわたって、同駐屯地の行事演奏や市内をはじめ県内外のイベントや広報活動に積極的に参加し、演奏を披露してきた。本来の任務と兼任で活動する現隊員は12人だが、ピーク時には25、6人が在籍していた。

活動終了の理由は、音楽経験のある隊員の減少と自衛隊の任務の拡大と多様化で、全国の他の駐屯地でも音楽クラブの活動終了が続いているという。

プロのミュージシャンもラストステージに参加

駐屯地音楽クラブの最後の舞台は同駐屯地内の芝生のグラウンドに設けられた特設会場で、「聖者の行進」「ブラジル」「夏祭り」「いとしのエリー」「銀河鉄道999」「風になりたい」「 September」「明日があるさ」の8曲を演奏。後半はサマーフェスタにゲスト出演した同市出身のシンガーBiGBENさんら3人のプロのミュージシャンも加わり、観客も一緒になって音楽クラブのラストステージを盛り上げた。

音楽クラブの演奏で盛り上がるステージと観客

13年間在籍したサックス担当でクラブ長の矢島久士2等陸曹(45)は「楽譜が読めないところから始め、これまで多くの皆さんに演奏を見守っていただいた。感謝の言葉しかありません」と話した。自衛隊の任務としての音楽演奏は終了するが、任務外での趣味のクラブ活動として演奏は続けていくという。

同駐屯地は、駐屯地行事や式典での生演奏の代替策は今後検討するとしている。


高田駐屯地音楽クラブ最後の演奏(動画)

記事参照元:上越タウンジャーナル