貸し切りサウナとして10年ぶり復活へ!鷹羽鉱泉(新潟県上越市)、日本海望みながらととのう~♡

貸し切りサウナとして再オープンする「鷹羽鉱泉」。遠くに頸城平野と日本海を見晴らす=上越市牧区宇津俣

2014年に廃業した新潟県上越市牧区宇津俣の鷹羽(たかば)鉱泉が、予約制の貸し切りサウナ施設として2025年5月のオープンを目指している。前オーナーから事業承継し、10年がかりで準備してきた富山県の不動産業、宮本祐希さん(44)は「肌に良い成分をたっぷり含む鉱泉と、日本海を望む雄大な風景を楽しみ、身も心も整えてほしい」とPRしている。

鷹羽鉱泉は標高約600メートルにある単純硫黄冷鉱泉で1日当たり1万2千〜1万4千リットルが湧く。水温は約10度と低く、鉱泉の近くで噴出する天然ガスで温め、二つの露天風呂や内風呂に利用されてきた。湯治や日帰り入浴の客に親しまれていたが、前オーナーが高齢となり14年に廃業した。上越市頸城区出身で常連だった宮本さんは「泉質も景色も素晴らしい鉱泉を守りたい」と後継者に手を挙げた。

ただ、再開は容易ではなかった。鉱泉の周辺は毎冬積雪が3メートルに及び、老朽化した施設が雪で壊れ、修理に追われた。野湯として開放したこともあったが、台風などによる地滑りが相次ぎ、敷地内に土砂が流れ込んだほか、鉱泉に続く道路が寸断され、復旧工事は21年秋まで続いた。

復旧を待つ間、サウナの水風呂として露天風呂の一つを利用することを着想し、5人用のサウナを建設。壁面の一部はガラス張りにして展望を楽しめるようにした。近くを流れる湧き水を満たしたドラム缶型の水風呂もある。

もう一つの露天風呂は以前と同じく鉱泉を天然ガスで温める。建屋部分は改築し、内風呂をシャワールームとし、畳敷きの休憩室は洋風のベッドルームにした。バーベキューも楽しめるよう広い軒下に炊事場も備えている。

貸し切りサウナ施設として再オープンする「鷹羽鉱泉」。手前は水風呂。左の煙突の建物がサウナ=上越市牧区宇津俣

2024年は再開に協力した関係者限定で試験的に営業している。本格オープンは2025年5月末の予定。初年度の売上高は1000万円を目指す。宮本さんは「日本海側屈指の美肌の湯といわれる鉱泉で、サウナや温泉好きの人たちがゆったり過ごし、牧区を巡る拠点になったらうれしい」と話す。

利用料金などの詳細や予約専用サイトは2025年1月に公開する予定。鉱泉の情報はインスタグラムやブログで発信している。

記事参照元:新潟日報デジタルプラス