高田農業高生が作ったコメが海外進出 富寿しシンガポール店で提供

新潟県上越市の県立高田農業高校生物資源科の生徒が栽培したコシヒカリが、宮崎商店(南本町3)が運営する富寿しグループのシンガポール店で提供される。国際認証を取得した質の高いコメを海外にも売り出そうとした取り組みで、2025年2月28日には同社でコメの受け渡しが行われた。

高田農業高生が育てたコメの販売式

同科農業生産コース作物専攻では本年度、2年生7人と3年生12人がコメや芋類の栽培を学んでいる。コメは同市上野田の田んぼ2haでコシヒカリとこしいぶきの2種を育て、各5tずつ収穫している。

2020年度からは、食品安全や環境保全などに配慮した事業者に与えられる国際基準の農業認証「GLOBALG.A.P.」の取得にも取り組んでいる。海外への販路拡大を目指し、昨年度からシンガポールに5店舗を構える同社と連携。同社が600kgを仕入れ、今年の5〜6月にかけて握りや巻きずしにして提供したところ、利用客からはその味などが好評だったという。本年度産も600kgを購入し、2025年度中にシンガポールの2店舗で提供する。

同校産米を味わうシンガポール店の利用客(宮崎商店提供)

28日に同社を訪れた3年生4人は、宮崎富夫副社長らに栽培のこだわりなどを説明し、本年度産米を手渡した。本年度産コシヒカリは化学合成農薬などの使用が県の基準よりも少なく、県特別栽培農産物認証も得ているほか、コメのおいしさを競う「全国農業高校お米甲子園2024」では最高賞に次ぐ特別優秀賞を受賞している。

宮崎副社長(左)に栽培のこだわりなどを話す生徒たち

女子生徒(18)は「自分たちが作ったコメをほかの国の人たちにも食べてもらえてうれしい。おいしさを知ってコメをたくさん食べてもらい、上越産米が広がってほしい」と目を輝かせた。

宮崎副社長は「品質が良く、お寿司としてもおいしい。将来を担う若者に海外を身近に感じてもらい、日本の米技術が世界基準だと伝えられることに貢献できてうれしく思う」と話した。

記事参照元:上越タウンジャーナル