中川上越市長初の新年度予算案発表「次年度へ土台作りの1年」

新潟県上越市は2022年2月21日、2022年度当初予算案を発表した。一般会計は977億8239万円で、前年度当初予算より43億876万円(4.6%)増加した。昨年11月に就任した中川幹太市長にとって初の当初予算案で、基本方針として「市民起点のまちづくり」などを掲げて八つのプロジェクトを打ち出した一方、新年度は本格的な事業推進に着手する次年度への「土台作り」と位置付けた。

上越市長会見
記者会見で就任後初の当初予算案を発表する中川市長

実質予算0.3%増の905億6842万円

一般会計から制度融資預託金などを除いた実質予算額は、第3セクター等改革推進債の借り換えに伴い公債費が増加したことなどから前年度より2億5590万円(0.3%)増加し、905億6842万円となった。市の貯金にあたる財政調整基金の2022年度末残高は、2021年度末より2億7590万円減少し88億8645万円となる見込み。市の借金にあたる市債の通常分の残高は709億801万円で、前年度より48億3340万円減少した。

八つの公約プロジェクト

「生活の質の向上」や「魅力の最大化」などの五つを重要な視点に据え、「地域自治推進」「地域交通」「子育て」「健康」「防災」「農林水産」「脱炭素社会」「通年観光」の八つの公約プロジェクトを部局横断的に進める。

人事改革プロジェクトも設置

中川市長が力点を置く「人事改革プロジェクト」もプロジェクトチームを設置し、2022年度末までに改革の方針と取り組み内容をまとめ、可能なものから実行する。組織改編は2023年4月からの予定。

病児保育送迎やふるさと納税返礼品拡充

具体的な事業は、保育園などで体調不良となった子供を保護者の代わりに迎えに行き、医療機関を受診させる病児保育の送迎(630万円)や出産後の産婦への健康診査助成(539万円)、庁用車に新たな電気自動車の購入や再生可能エネルギー導入のための調査.研究などの脱炭素の取り組み(1226万円)、安塚区と牧区で予約型コミュニティバスの実証運行(841万円)、高齢者ドライバーの車にドライブレコーダーやペダル踏み間違い時に稼働する急発進抑制装置の設置費用補助(1024万円)、市独自の東京事務所設置に向け県東京事務所への派遣などの職員研修の充実(593万円)といった選挙戦で訴えた公約を盛り込んだ。ふるさと納税の返礼品に米や地酒などの農林水産物や「メイド・イン上越」認証品などの上越の特産品を加え、年度を越えて寄付金を活用するための基金を創設(7494万円)する。

また高田地区で空き家の利活用や地域の魅力向上への取り組み支援(1000万円)、若者の創業支援(500万円)などを計上したほか、住宅リフォーム推進事業(1億2233万円)、首都圏からの子育て世帯の移住者への支援金増額(1450万円)、消防団員の処遇改善(8439万円)など従来事業の拡充も図った。

新年度は「土台作り」

中川市長は記者会見で「初めての予算編成を終え、新年度は新たなまちづくりの土台を一つ一つ丁寧に形作っていく1年とし、市民が夢や希望をもって生き生きと暮らせるまちにしなければならないと意を新たにした」と話した。人事改革を含む公約の多くは2023年度からの実施を目指しており、「22年度は電気自動車や太陽光パネルなどすぐにできるものは盛り込んだが、(そのほかの公約実現には)関係する方々との話し合いや信頼関係づくりが先」と述べた。

新年度予算案は3月2日に開会する市議会3月定例会に提案される。

▽市議会3月定例会に提案される予算案など
https://www.city.joetsu.niigata.jp/site/shicho-room/kaiken-r4-2-21.html

記事参照元:上越タウンジャーナル

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