鈴木めぐみ市議の「Q&A」と「主張」に対する上越タウンジャーナルの見解

上越市選管から公職選挙法(寄附行為の禁止)に抵触する恐れがあると事前に注意されていたにもかかわらず、イベントで来場者に無料で食事などを提供した上越市の鈴木めぐみ市議(43)は2022年5月13日、自身のSNSで上越タウンジャーナルに対し「取材不足」と指摘した上で、「Q&A」と「主張」を掲載しました。

鈴木市議の「Q&A」と「主張」は、事実に反する点が多いことから、上越タウンジャーナルは見解などを以下に表明します。

以下は、鈴木市議の「主張」全文です。赤い文字が上越タウンジャーナルによる指摘と見解の表明です(注・Q&AのQ、すなわち質問も上越タウンジャーナルによるものではなく鈴木市議が書いています)。


鈴木 めぐみ     2022.5.13.

私の支援者の方から「また記事になってるよ🤣長くて半分しか読んでないけど😙」と教えていただきました。
連日盛大に取り上げていただくことは、市民の皆様に市政に関心を持っていただくきっかけにもなりますので感謝申し上げます。
ただ、重要な点にかぎって取材不足があるように思います。書かれている内容を真に受け心配される支援者の方もおられますので、恐縮ながら私も主張させていただきます。Q&A形式で簡潔に記載します。

Q1 子ども食堂のイベントについて、上越市の選挙管理委員会から公職選挙法の「寄附行為の禁止」に抵触するおそれがあると事前に注意されていたのか。
A1 いません。イベント開催より前に電話連絡はありましたが、その内容は子ども食堂で提供するメニューや値段について「一般的な子ども食堂と議員の関係」についてです。食堂における値段ややり方など、行き過ぎたものは公職選挙法に抵触するおそれがあるため気をつけるようお話がありました。

Q2  それはイベントについての注意ではないのか。
A2 違います。上越市の選挙管理委員会へも、イベントの後に電話確認して、「一般的な子ども食堂と議員の関係」についての内容であり、イベントのことではないことは確認済みです。イベントの開催中止や、内容の変更を指示されたことはありませんし、そもそもイベントについて一切話は出ておりません。

Q3 では、なぜイベント前のタイミングで連絡が来たのか。
A3 私は連絡を受けた側ですので、私に聞かれても分かりません。おそらく、イベント前に、どこかでカレーを無料で出すことを知った方が、公職選挙法(寄附行為の禁止)違反だと誤解され、選管へ通報したためだと思います。

Q1〜3については、まとめて説明します。

上越タウンジャーナルの取材に対し、市選管がどう説明したかを、少し詳しく解説しましょう。

市選管は「今回のイベントが公職選挙法違反ではないか」という市民からの問い合わせを受け、その結果として、イベント開催4日前に鈴木市議に注意を促しました。

選管には、鈴木市議がA2で書いているような、個々のイベントについて中止や変更を「指示」する権限はありません。また、選管は適法・違法を最終的に判断する機関ではない(司法が判断します)ので、鈴木市議が書いている通り、注意は「一般的な子ども食堂と議員の関係」となります。

市選管が4月25日に鈴木市議に伝えた要旨は次のようなものです。

「市議会議員名を表示したSNSのアカウントで、食事などを無料で提供するとPRする行為は、寄附行為に該当するように見える可能性がある。仮に法に抵触しない場合でも誤解を与える可能性がある」

個別のイベントへの言及がなくとも、上記のような選管の注意の主旨は、十分に理解できます。

また、鈴木市議は、市選管から事前に注意を受けたか否かを議論していますが、本質的には選管の注意の有無は、鈴木市議の違法行為の成否に影響はありません。

Q4 公職選挙法では、議員が選挙区内の方への寄付を禁止しているが、それを知っているか。
A4 知っています。

Q5 イベントでカレーを無料で出すことはその寄付に該当しないのか。またそう考える理由は。
A5 該当しないと考えています。イベントの主催は子ども食堂であり、議員個人の活動ではないからです。
SNSでも明確に「子ども食堂」イベントと書いています。議員名は一切書かれていません。

Q6 子ども食堂の名前には議員の名前「めぐみ」が含まれている。そこから議員が類推されるのではないか。
A6 それはこじつけだと思います。「鈴木」という人名ならまだしも、一般名称である「めぐみ」(意味 恵むこと、恩恵)という単語から私個人を短絡的に結びつけているだけではないでしょうか。全国で提供されている商品やサービス全てについて、私が関与することになってしまいます。
例 海のめぐみ、こんぶのめぐみ、めぐみアイ、ちゅらの恵み、天の恵、九州めぐみバタークッキー、米のめぐみ、メグミルク、桑の葉&茶カテキンの恵み、オリーブ&ギャバの恵み、めぐみのルテイン30、北国のめぐみ、めぐみ堂の酵素、日本のめぐみ、南のめぐみ etc

昨日の記事で説明した通りですが、「議員が構成員である団体は、選挙区内の人に対し、議員の氏名を表示し又は議員の氏名が類推されるような方法で寄附をしてはならない」(公選法199条の3)のです。

A5で「議員個人の活動ではない」というのは、その通りです。鈴木議員が代表である「子ども食堂たまごのめぐみ」という団体が「議員が構成員である団体」です。

Q6について。「氏名」とは名字と名前です。名字はダメだが、名前ならいいとはどうやっても読めません。

もう一度、逐条解説を引用しましょう。
「例えば候補者「甲山乙夫」が代表取締役社長である会社の社名が「甲山商事株式会社」であるとした場合に、この社名を表示して寄附した場合は、「これらの者の氏名が類推されるような方法」によって寄附をしたこととなるものと解される」(「逐条解説 公職選挙法 改訂版」黒瀬敏文・笠置隆範/編著、2021年、ぎょうせい刊)

「甲山」という山は、兵庫県西宮市をはじめ、姫路市、秋田県、大阪府、岡山県津山市、井原市、広島県、山口県、香川県にあり、名古屋市には甲山町という地名があります。鈴木市議の論理では、この逐条解説の説明も「こじつけ」ということになります。

Q7 そうは言っても、実際議員が運営する食堂「子ども食堂たまごのめぐみ」に「めぐみ」という名称が入っている。議員の名前から取ったのではないか。
A7 違います。子ども食堂は卵かけごはん専門店としてオープンしました。安価で栄養たっぷりのたまごを毎日摂ってもらおうと、そこから、たまごのめぐみとしています。
ただ、ご指摘のとおり、「めぐみ」とは私の個人名でもあることから、子ども食堂をオープンする際に、念のため市の選挙管理委員会にこの食堂の名称を確認し、問題がないことを確認済みです。
おそらく「子ども食堂 鈴木のたまご」のように議員個人が類推されるのであれば、注意があったはずです。繰り返しになりますが、恵みという言葉は一般名称です。

いかなる思いで飲食店の名称を付けたのかと、寄附行為での表示の問題は関係がありません。

鈴木市議が書いている通りこの店は「卵かけご飯専門店」です。上越タウンジャーナルが取材したところ、市選管に対しては、いわゆる一般的な「子ども食堂」のように無料で食事を提供するという説明はなされていないため、鈴木市議が市選管に確認を求めても問題になるはずがありません。

議員が自らの氏名を冠した店でさまざまなビジネスをやることは自由です。客が金を払い店が食事を提供するという行為は債務の履行に過ぎず、どうやっても寄附にはあたらないからです。例えば仮に「鈴木めぐみ食堂」という名称でも、無料での食事提供などをしない限り、寄附行為の問題は生じません。

Q8 市民から市の選挙管理委員会に今回の件で電話にて問い合わせがあり、そこで選管は議員に注意したと市民へ回答している。このことについて議員は「個別案件の内容を第三者へ漏洩した」とSNSで書いているが、それは選管の仕事の一部であるので、おかしいのではないか。
A8 きちんと取材をしてから質問してください。そのSNS上では、市民の方が市の選管に問い合わせたところ、「県の選管からも目をつけられているとか」「事務局の職員さんがそう話したとのことです・・・」と、いう書き込みが先にあります。選管が私に電話連絡した事実については回答しても構いませんが、その内容、県の指導の話は、情報公開制度に則り公開すべき内容だと私は思います。選管が所定の手続きを踏んでいるのならば問題はないと思います。

まず、「きちんと取材をしてから質問してください」とありますが、質問しているのは鈴木市議です。このQ&Aは鈴木市議の自作自演です。

そこで、なぜ「県選管による指導」だけ、秘匿すべき情報になるのか、またそれを市選管が市民に対して回答すると「漏洩」になるのか、わかりません。情報公開請求で開示されるような情報であれば、開示請求を待たず率直に市民に回答するのが、正常な公務員の姿ではないでしょうか。

Q9 選管の行為に対する抗議を市長宛にするのはおかしく、その組織の長の事務局長ではないか。
A9  そうですね。なお、抗議はどちらにも行なっていません。私は、事実やそれに値するデータがなければ、わざわざ騒ぎません。

Q9の選挙管理委員会の長は、事務局長ではありません。選挙管理委員長です。事務局長は実務を担う市職員です。一方、選挙管理委員と委員長は、市議会が選ぶ特別職の公務員で、市長から独立した行政委員会の委員という性質上、市長でも罷免することができません。

また、「事実やそれに値するデータ」が何を意味するか不明ですが、選挙管理委員会とは関係のない市長への抗議を表明したのは鈴木市議です。

Q10 公職選挙法を含み、法律違反はないと考えているか。
A10 そのとおりです。ルールをきちんと守るのは当然です。特に公職選挙法は、議員のルールブックでもありますので、疑義がある場合は、私は専門家に都度確認しています。

Q9のような初歩的な間違いをしないよう、守るべきルールをしっかり学ぶとともに、適切な専門家に再度確認することをオススメします。

記事参照元:上越タウンジャーナル

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