坂詰姫野(上越市出身)全日本制覇 出場5試合失セットなし、強さ発揮 全日本テニス選手権

日本テニスの頂点を争う第97回全日本テニス選手権大会の女子シングルス決勝が29日、東京・有明で行われ、上越市黒井出身の第1シード、坂詰姫野選手(21、橋本総業ホールディングス)が初優勝に輝いた。決勝で第5シードの小堀桃子選手(24、同)を6―3、6―3のストレートで下し、国内女子テニス選手の頂点に立った。

力強いバックハンドを見せる坂詰選手(横山芳治さん撮影)

 昨年ベスト8で、5年連続5度目出場の坂詰選手は今大会、第1シードで登場し、5試合を全てストレートで勝ち上がった。1セットで失ったゲームは4までで、力強いストロークと安定した試合運びが際立った。

坂詰選手は本紙の取材に「うれしい。良い調整ができ、体調的にも自信を持って臨めた」と今大会の好調ぶりを振り返った。「上越で小さい頃からやってきて今の私がある。確実に財産になっている。上越の方々に応援していただいているので、良い結果を報告できて良かった」と、安堵(あんど)したように話した。

「坂詰3姉妹」の3番目として姉2人を追い掛けるようにテニスを始め、上越教育大附属中まで「ファーストテニスアカデミー」(上越市)で練習に明け暮れた。中学3年時に全国選抜ジュニアテニス選手権大会を制覇。中学を卒業後、県外に出て全日本ジュニア選手権などで優勝。「Team YUKA」に所属してプロになり、現在は国内外を転戦している。

心身共に大きくなった同選手の姿に、コートサイドで見守った父・喜範さん(62)は「会場に来て練習を見た時に娘だとは気付かなかった。体つきや打ち方が変わっていて驚いた」と話し、「第1シードであり、私自身も緊張していた。優勝した喜びよりもプレッシャーから解放された安堵感の方が大きい」と歓喜をかみ締めた。

小中時代に指導したファーストテニスアカデミー代表の杉澤康一さん(53)は「現チームでの指導とトレーニングの成果。絶体絶命の場面でもポイントを奪い取る体幹の強さがあった。小さい頃からプロを目指し、しんどい練習をこなしていた」と評し、会場で試合と表彰式を見守り、「うちのジュニア選手も感動していた」と、教え子と一緒に歴史的瞬間を目に焼き付けた。

表彰を受け笑顔を見せる坂詰選手(杉澤康一さん撮影)

記事参照元:タイムスLite

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