「越後田舎体験」最後まで心込め、3月末解散の「雪だるま財団」 新潟上越安塚区・後継は上越観光コンベンション協会

新潟県の上越市と十日町市が首都圏の小中学生を招いて自然体験や農村の暮らしを伝える「越後田舎体験事業」で、神奈川県横須賀市の横須賀学院小の児童が上越市安塚区のキューピットバレイスキー場を訪れた。この事業の事務局を20年以上務めてきた同区の公益財団法人「雪だるま財団」は3月いっぱいで解散するため、事業は上越観光コンベンション協会が引き継ぐ。財団では「年度末まで心を込めて対応したい」と、最後の活動を進めている。

雪だるま財団は、雪を生かした産業や住民生活のあり方を研究・実践しようと、旧安塚町の出資と民間からの寄付で1990年に設立された。町の「雪国文化村構想」に基づき、雪室や雪冷房システムの導入、特産品開発や人材育成などの取り組みを展開。旧東頸6町村が99年に始めた田舎体験事業の事務局を開始当初から担い、受け入れ窓口や体験プログラムの提案、アテンドなどを続けてきた。

しかし、近年は新型コロナウイルスの影響で民泊を伴う田舎体験の需要が激減し、収入の落ち込みが続いていた。財団の小林美佐子理事長は「事務局の後継が決まったことで、今後の事業の継続と広域的な発展を期待している」と話す。

今年最初の体験事業に訪れたのは横須賀学院小の5年生22人。先月17日から3泊4日の日程で安塚区に滞在した。3日目に雪国の冬遊びを体験。スノーシューを履いて雪原を歩いたほか、雪上運動会を楽しんだ。

運動会のゲームの一つ、雪積み競争では時間内にどれだけ高いタワーを作れるか競った。「土台をしっかり作ろう」と声をかけ合い、残り数秒で崩れたチームからは「ああー、なんでー」と残念がる声が上がった。

汗をかきながらゲームを楽しんだ女子児童(10)は「こんなに雪に囲まれた中で遊んだのは初めて。めっちゃ楽しかった」と満足そうだった。

財団では、これまでの歩みを写真などで振り返る「ありがとうの会」を3月中旬に開催する予定だ。

記事参照元:新潟日報デジタルプラス

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