上越の日本海の海水を“駅伝”で太平洋へ 信州大学生寮の伝統行事スタート
信州大学農学部(長野県南箕輪村)の学生寮「中原(ちゅうげん)寮」の寮生が、新潟県上越市から約400km先の太平洋まで走る伝統の「日本縦断駅伝」が2023年9月9日朝、同市のなおえつ海水浴場をスタートした。白い法被をたすき代わりに、日本海の海水を詰めたペットボトルをバトンにし、目指すゴールは太平洋に臨む静岡県浜松市の中田島砂丘だ。
農学部の2年生以上が入寮する中原寮は、現在学部生と大学院生の男女62人が生活している。駅伝は10月に開催される寮祭のイベントの一つとして、40年ほど前から続く恒例行事。テント泊をしながら6日間かけて法被とペットボトルをつなぎ、ゴールの中田島砂丘で運んできた日本海の海水を太平洋に注ぐ。これまで3年に1回行われてきたが、前回2020年はコロナ禍で中止となり、今年は6年ぶりの開催となった。
今回はのべ30人の寮生が、1人1日当たり約5kmを走る。途中、長野(工学)、上田、松本の同大各キャンパスの学生寮に立ち寄り、伊那キャンパスにある同寮も経由して、14日午後に中田島砂丘に到着予定。
9日、同海水浴場には約20人の寮生が集合。駅伝係長で2年の西園元登さん(19)が海に入ってペットボトルに海水を入れ、第一走者で寮祭長の3年、浅田鈴音さん(21)に手渡した。午前7時前、寮旗を持った浅田さんが太平洋に向けてスタートを切った。
西園さんは「前回の駅伝の経験者がおらず、準備が大変だったが、けがや事故なく、無事に日本海の水を太平洋に届けたい」と話し、浅田さんは「たくさん準備をしてくれた仲間の思いを胸に走りたい」と語った。
初日の9日のゴールは長野市の長野(工学)キャンパスの若里寮で、2日目は上田市を経由して松本市まで走るという。
ゴールの静岡県浜松市の中田島砂丘
記事参照元:上越タウンジャーナル