利用順調に推移 はまなすバス運行4カ月 冬場や運転手確保に課題 柿崎まちづくり振興会

冬期間も継続的に利用のある「はまなすバス」(柿崎区松留で)

NPO法人柿崎まちづくり振興会が運行する有償運送「はまなすバス」が、昨年10月2日の運行開始以来約4カ月を経過した。冬季の運行や運転手確保などの課題を抱えながらも、「思った以上に」利用され、〝住民の足〟としておおむね順調に推移している。

同バスは廃止となった路線バス2路線の代替えと公共交通の空白地だった地域の運行を担う。8人乗り普通自動車(相乗り)で、決められた時間、停留所を運行する「定時・定路便」(1日2便)と、予約に応じて運行する「デマンド便」(同6便)の2形態8便、平日のみの運行。利用登録をすれば乗車賃は高校生以上で1回200円。

昨年12月末までの集計で61日、314便を運行。利用登録は79世帯から申請があり、実際の乗車実人数は約40人、延べ396人。同振興会の中村修治理事(74)は「思ったより使っていただいている。冬場は少なくなると思ったが、同じぐらいの利用がある」と話す。

同振興会職員の登録運転手は実質4人。午前、午後、健康チェック担当と1日3人ずつで回している。現在は少しずつ慣れてきたそうだが、「当初はだいぶきつかった」と、自らもハンドルを握る中村理事。定時運行の場合は、停留所に利用者がいるかを確認するのに気を使うという。12月の降雪では倒木による通行不能なども発生した。新年度にはもう1人登録される予定。

利用者からは「乗車賃200円は安い」「乗降口が低くて乗りやすい」「家の前まで来てもらい助かる」と評価の一方で、「通院の予約時間にちょうど良い便がない」「買い物が終わった後に乗れる便がない」などの声もあるという。通勤で週4日、ほかに私用で柿崎駅まで利用しているという女性(56)は「車がないのでとても助かる」と話す。

収支については「これから」としつつ、主な支出は車のリース料やガソリン代など。運転手の賃金を含めた、これら運行経費については市も負担金として支援している。

利用者の声、市との協議などを踏まえ、中村理事は「3月までの利用者の推移、運行状況などを見ながら、必要に応じて新年度の運行形態を見直していきたい」と話している。 現在、市内で地域団体による有償運送は同区のほか、三和区と中ノ俣地域で行われている。市は路線バス(支線の場合)について、1年間の平均で1便1人未満の路線は廃止の方向性を示しており、地域と互助での維持が求められている。

記事参照元:上越タイムス電子版