乗り換え待ちの間に学力アップ!JR直江津駅ホームの自習室が人気 電車の本数少なく長時間待ちも…高校生「家より集中できる」、駅長「駅から世界に羽ばたいて」

新潟県上越市の直江津駅のホームに設置された自習室=1月

新潟県上越市の直江津駅ホームに設置された自習室が評判を呼んでいる。電車の本数が少なく長時間待ちも多いという、地方の駅ならではの事情に着目した。竹内幸一駅長は「ふるさとの駅で勉強に励んだ学生たちに、県内だけでなく全国や世界に羽ばたいてもらいたい」とエールを送る。

直江津駅は、JRやえちごトキめき鉄道の複数路線が乗り入れる。管理する同鉄道によると、1日平均約1200人の利用者の半数以上が通学目的で、高校生が特に多い。電車は1時間に数本しか止まらず、カフェなどの店舗も構内にない。

塾講師の経験もあるえちごトキめき鉄道の鳥塚亮社長が学生目線で「乗り継ぎの時間を有効活用できるのでは」と発案。2019年の就任後に検討を始め、元々あった二つの待合室のうち古い方を改装して20年春に公開した。

広さ約30平方メートルで25人ほどが利用できる。白を基調とした空間に1人ずつ並んで使う長机や、4人掛けのテーブルが並ぶ。学生専用で午前7時〜午後10時に利用可能。冷暖房完備で防犯カメラが付き、コンセントも使える。室内にはスピーカーがなく、アナウンスの音声は小さめに聞こえる。

新潟県立高田農業高3年の男子生徒(18)は1月中旬の夕方、高校生活最後のテストに備え、1人で机に向かっていた。「電車の音も気にならない。家や図書館に比べて集中できる」と笑顔だ。

竹内駅長は「勉強に励んだ思い出の場所と振り返ってもらえるよう、いつまでも残していきたい」としている。

記事参照元:新潟日報デジタルプラス