「義の心」熱々でお届け!新潟上越市のラーメン店、続々と石川の被災地で炊き出し 「また来てくださいとの声もあるので、これからも」

食堂ニューミサのスタッフらによる被災地でのラーメンの炊き出し=2月27日、石川県輪島市(提供写真)

能登半島地震から3月1日で2カ月。新潟県上越市のラーメン店が石川県の被災地で炊き出しする支援の輪が広がっている。上越市も最大震度5強を観測した被災地だが「困っている人の役に立ちたい」との熱い「義」の思いがこもったラーメンを届けている。

2月27日の輪島市役所。余震が続き、寒風も吹く中「食堂ニューミサ」(上越市中郷区稲荷山)による名物みそラーメンを被災者が味わい体を温めていた。

「遠くから来てくれてありがとうと言われ、逆にこちらが元気をもらった」。ニューミサの取締役、上田幸子さん(51)は振り返る。糸魚川大火や台風など県内外の被災地で炊き出しをしてきた。今回は「時間の経過とともに支援が滞り始めるタイミングで現地に入りたい」と考え、輪島市との打ち合わせをして現地入りし、500杯弱のラーメンを振る舞った。

壊れた家屋など地震の爪痕は依然として生々しかった。一方、被災者には笑顔もあり、復興に向けた前向きな姿に心打たれた。「また来てくださいという声もいただいた。そういう声があるのだから、これからも行かないと」。春にもまた訪れるつもりだ。

ラーメン店「麺屋風花」(上越市大和5)を切り盛りする、長江洋太さん(40)も、1、2月に1回ずつ石川県能登町の広場でラーメンを提供した。

「困っている人のために何かできるかも。支援の輪が広がっていけばいい」と、長野県のボランティアを通じ、キッチンカーで現地入りした。

初回は100杯を用意。ラーメンが足りず、食べられなかった残念そうな子どもの顔が忘れられず、2月には募金を元手に、再び支援に赴いた。

インスタグラムには炊き出しの様子や被災地で感じたことを書き込んでいる。「本当に役に立っているのか」との複雑な思いも吐露。それでも「その時々で自分たちができることをしていきたい」と話している。

こうした動きは広がりを見せている。上越市内のラーメン店・中華料理店でつくる「上越愛麺会」も、具体的な日程や態勢は決まっていないが、現地での炊き出しの実施に向けて準備を進める考えだ。

記事参照元:新潟日報デジタルプラス