学校や学年の枠超えた妙高、上越の音楽活動地域クラブ「パレット」 8月21日に県マーチングコンテストに出場

少子化や教員の働き方改革で中学校の部活動を地域に委ねる「地域移行」が進む中、新潟県の妙高、上越両市の小学生〜高校生が活動する音楽活動地域クラブ「パレット」が2024年4月に発足した。メンバーたちは8月21日に新潟市で開かれる「第37回県マーチングコンテスト」に出場するため、練習に励んでいる。

学校や学年の枠を超えて集まった「パレット」のメンバーら

同クラブは部活動地域移行で小中学校、高校の吹奏楽部が無くなったり縮小したりし、練習時間やコンクール出場などが大幅に減少することから、音楽好きの子供たちが学校の枠を超えて集まる場として児童生徒の保護者や地域指導者たちにより発足。毎月2〜4回ほど妙高市の学校や施設に集まり活動している。

吹奏楽経験者が大半だが、初心者の参加も可能で、妙高高原中などから楽器を借りて練習。指導は上越市在住で妙高高原中吹奏楽部で外部指導者を務めてきた市川英幸さんが担当している。保護者の1人で、パレット代表のレビディス真由美さんは「最初は不安だったが、高校生のリード、保護者の協力などでようやくパレットの形になってきた。子供たちには音楽を楽しんでもらいたい」。

17日に行われた合奏の練習風景

コンテスト出場はクラブ発足後初の挑戦となる。コンテスト常連で長年県代表として活躍してきた妙高高原中吹奏楽部の本年度の大会不参加が決まり、クラブでは同部に所属するメンバーも多くいたことから、急きょ出場を決めた。6月から本格的に演奏や、隊列などの練習を積んできた。マーチング経験の浅い中学生に高校生の経験者たちが声をかけながら作り上げてきた。コンテストでは学年の枠を超えて構成するため、一般枠となる「高等学校以上の部門 Aの部」に20人で出場し、「A DISNEYLAND CELEBRATION 」など2曲を披露する。

本番を直前に控えた8月17日は全国屈指の強豪校、千葉県習志野市立習志野高校吹奏楽部の元顧問で高校教諭の瀧山智宏さんを講師に招いた練習会が妙高市内で行われ、メンバーたちは合奏や動きの練習に取り組んだ。瀧山さんは過去にも指導でクラブを訪れており、メンバーたちの姿を「成長した。高校生が上手にリーダーシップを取り、短い時間で集中したと思う。随分うまくなった」と成長ぶりに目を細めた。

習志野高校吹奏楽部の元顧問で高校教諭の瀧山智宏さんが指導

高校1年の女子生徒は「みんな別の学校でなかなか合わせることができなかったが、全員で集中して取り組み、楽しく話せるようにもなった。マーチングを楽しみ、今までの練習を生かして頑張りたい」、中学2年の女子生徒「知らない関係からお互いが支いあえるようになった。自分からも歩み寄っていきたい」とそれぞれ話した。

高校生がリードし、“パレットの形”になってきた

クラブではメンバー、楽器の寄付を随時受け付けている。

 

記事参照元:上越タウンジャーナル