中川市長就任初の議会は初日から丁々発止 副市長4人制などで火花 「公約実行に必要」×「屋上屋で疑問」
新潟県上越市の中川幹太市長が就任して初めての市議会定例会が2021年11月30日、開幕し、総括質疑で7人の議員が質問した。中川市長が提案した副市長4人制などの議案について、質問した多くの議員から「屋上屋で必要ない」など厳しい意見が出て、初日から丁々発止の議論が行われた。
10月の市長選では市議会(定数32)の大半の議員が相手候補を応援した。中川市長は就任後「ノーサイドでオール上越」と呼び掛けており、議会各会派も「様子見」「是々非々」との態度を示していたが、議会論戦緒戦は複数の会派が市長と真っ向から対立する形となった。
6会派すべてと無所属の1人が質問に立ったが、中川市長は再質問ではほとんどの場面で想定問答集などのメモも持たず、自らの言葉で答えた。
中川市長は冒頭、「公約実現のためには現場主義と実行力を重視したい」「人事改革プロジェクトを立ち上げ、風通しの良い組織の構築と専門性を有する人材の育成を目指す」などと所信表明。具体的な施策については新年度予算の際に明らかにするとした。
総括質疑では副市長4人制導入について、橋本洋一議員(久比岐野)が「部長がいる中、屋上屋ではないか」などと疑問を呈したほか、栗田英明議員(政新クラブ)も「屋上屋で風通しの悪い組織になる」と批判。杉田勝典議員(公明)も「市民の反応を見て見直すことがあってもいい」、武藤正信議員(創風)は「2人体制で何か問題があったのか」と疑問を呈した。
政策立案に関する民間の諮問委員1人を選任する件についても、「1人に諮問することは公費を使ってやることではない。しがらみそのものではないか」(栗田議員)といった意見のほか、諮問委員と副市長との関係などについて質問が集中した。
中川市長は「行政の力として副市長4人制、民間の力として政策諮問委員。この2つの力を合わせて政策をかたちづくる」として、副市長については「政策や企画にとどまらず現場で陣頭指揮を取る強力なリーダーシップを発揮してもらう」、政策諮問委員は「民間のアイデアを最大限活用し政策を磨き上げる」と説明した。
政策協定を締結して中川市長を支援した元市長の宮越馨議員(無所属)も質問に立った。中川市長は宮越氏の提唱する「子供年金」について新年度予算でニーズ調査を検討する考えを明らかにした。
初日の議会終了後、報道陣の取材に中川市長は「たくさんの質問をいただき、活発な議論ができてよかった。副市長、諮問委員などは大事なことなので、今後の一般質問などで理解を得ていきたい」と話した。
記事参照元:上越タウンジャーナル