三郷、打線強化実る 両チーム健闘たたえ 全日本学童軟式野球県予選決勝

高円宮賜杯第42回全日本学童軟式野球大会(マクドナルド・トーナメント)の県予選決勝は上越勢が初めて勝ち進み、史上初の上越勢対決。締まった好ゲームとなり、三郷タイフーンが4―1で大潟フェニックスとのライバル対決を制した。三郷は打撃を強化してきた成果を発揮した。試合後は両チームの選手、指導者がたたえ合う場面が見られた。

優勝した三郷タイフーン(左)と準優勝の大潟フェニックスのメンバー(新潟市みどりと森の運動公園野球場)

 「打ち勝つ」今年のチーム目標を体現した。三郷打線が7安打を放ち、大潟に逆転勝ち。コンパクトに振り抜く打撃を見せ、上越3市のチームで初めての栄冠を手にした。昨年の新井ジュニアに続く上越勢の全国出場だが、優勝して出場権をつかむのは初めて。
昨年10月の新人戦決勝で新井に0―1で完封負けしたのが転機となった。「打てなきゃ勝てない」(布施修監督)と以降、練習の多くをバッティングに費やした。今大会、1回戦、準決勝を強化してきた打撃でものにし、決勝は三回に下位の8番春日泰世(たいせい、和田小5年)の三塁打を突破口に、2番小島蓮音(れおん、大手町小6年)の中前打で勝ち越し。五回には3安打を集め、その成果を発揮した。

三郷は五回裏二死一、三塁、5番大坂梓朗の右翼安打で三走に続いて一走・小山泰悟が一気にホームインし、4―1とリードを広げる。捕手は大潟・田邉駿介

 2安打1打点の小島は「きょうはバッティングで貢献できた。キャッチャーとしても盗塁を一個刺せて、ちゃんと投手が抑えられて良かった」と笑みをこぼした。
投げては今大会初先発の古川征志朗(大手町小6年)が緩いボールを効果的に織り交ぜ、主将の林成悟(同6年)との継投で3安打、1点に抑えた。古川は「緩い球を投げて打たせて取ろうと思った。準決勝は緊張したが、きょうは落ち着いて最後も投げられて良かった。全国大会でも通用するように練習して勝ち抜きたい」と意気込んだ。
三郷は5月の上越市・妙高市予選(上越タイムス旗大会)の準決勝で大潟に敗れてから、続く上越支部予選で新井に12―3と雪辱するなど勝ち上がり、一気に県の頂点へ駆け上がった。布施監督は「決勝まで来ると思っていなかった」と正直な胸の内を明かし、「大潟さんはいいチーム。いい決勝ができて良かった」と強い好敵手の存在に感謝した。
◇大潟先制及ばず 三郷にエール

大潟は二回表二死三塁、8番橋爪旭が右翼線二塁打を放ち先制

大潟フェニックスは二回に四球、連続盗塁から8番橋爪旭(大潟町小5年)の右翼線二塁打で先制したが、三回以降は好機をつくれなかった。山川敏雄監督(49)は「緩い球は打ち損じる可能性が高い。三郷さんが一枚上手。いろいろと研究された」と潔く話し、過去2度のベスト4の壁を打ち破っての決勝進出に「次はこの舞台で勝つという目標が明確になった」と気持ちを奮い立たせた。
今大会3試合いずれも先発し好投した水瀨美穏(みおん、大潟町小6年)は「緊張したけど、自分のピッチングができて良かった」と振り返った。主将の小山蓮介(同6年)は「悔しいけど、やりきった思いはある」と話し、「三郷さんは強いチーム。自分たちの分まで頑張ってほしい」とエールを送った。山川監督も全国大会に進むライバルを「上越の誇り、上越の代表として勝ち上がってほしい。チーム全員で応援したい」と後押しした。
▽決勝
大潟フェニックス
010000 1
00202× 4
三郷タイフーン

上越市学童野球連盟・小日向俊郎会長(71) 上越の2チームが素晴らしい決勝を繰り広げてくれ、感無量。どちらが勝っても県代表の名にふさわしい。指導者や選手の苦労がここにつながったと思う。

記事参照元:タイムスLite

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