介助運搬車を開発、量産化へ協力企業募る・上越三和区の星野幸雄さん

介助運搬車を開発した星野幸雄さん(左)。てこの原理で体重80キロの星野さんも10キロくらいの重さに感じられる=上越市三和区

災害時、移動が困難な人を安全かつ迅速に避難させられる道具はないか-。

新潟県上越市三和区のNPO理事長で元機械設計会社員の星野幸雄さん(70)は手押し車を改造した介助運搬車を開発した。

幅52センチ、長さ134センチのアルミ製。普段は物を載せるバケットを装着するが、災害時には座椅子に載せ替え、高齢者らを乗せる。ワンタッチで取り付けられ、軽々と素早く移動できるのが売りだ。体重80キロの星野さんが10キロほどに感じられるくらいと言い「子どもの力でも高齢者を楽に避難させられる」とPRする。

介助運搬車の開発は2016年、緑内障を患い手を引かないと歩行が困難になった義母との同居がきっかけだ。「自宅近くには活断層もある。地震に備えてスムーズに避難できる手段が必要だ」と感じた。

愛知工業大を卒業後、上越市の機械設計会社で設計や加工、組み立てに従事した。その経験を生かして介助運搬車の開発では自ら図面を引き、組み立てた。

試作車作りには半年ほど費やした。ホームセンターで手押し車や部品を買い、最適な重心や支点の位置を探り続けた。

出来上がった試作車は小回りが利き、2輪にすることで多少の悪路でも安定するようにした。足置きを付けて乗り心地をよくし、座椅子から落ちないようシートベルトも取り付けた。

星野さんは18年、開発した介助運搬車の普及に向けてNPO法人「日本防災用品技術研究協会」を設立。内閣府の催しなどで試作車を実演したほか、21年には特許も取得した。

「出来栄えには自信がある」と胸を張るが、目下の課題は製造コストと量産化だ。試作車作りに30万円かかったが、量産化で5万円台に下げられるとみる。上越商工会議所の個別商談会などに参加し、製造を請け負ってくれる企業を探している。

「アイデアはあるのに量産化できない。普及させてこそ多くの人が救える。私の志に共鳴してくれる企業はいませんか」と訴えている。

記事参照元:新潟日報デジタルプラス

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