部活終わりの高校生らを自宅付近まで送迎 上越市三和区独自の通学支援スタート

新潟県上越市で、高校が集中する高田地区から周辺部の三和区に帰宅する高校生をデマンド乗り合いタクシーで送迎する通学支援事業が、2024年7月からスタートした。同区を通る路線バスの本数が少なく、送迎する保護者の負担軽減と中高生支援を目的に市とNPO法人三和区振興会、市ハイヤー協会が協力して実証運行を始めた。

さんわデマンドに乗車する高校生

同市内にある高校10校(中等教育学校除く)のうち8校が高田地区にあり、自宅が旧町村の13区にある生徒は電車や路線バス、保護者の送迎などで通学している。三和区では高校生の8割が高田地区の学校に通い、総合事務所から高田駅までは約10kmで、更に通学距離が離れている生徒も多い。区内を通る路線バスは2路線あるが、午後6時を過ぎると運行が終了するため、部活動をする生徒などは保護者の送迎がないと帰宅できない。

こうした状況から、区総合事務所が昨年度、区内の高校1、2年生と中学3年生計191人の保護者を対象に送迎事業についてのアンケート調査をしたところ、37%から利用希望の声が寄せられ、本年度の市の地域独自の予算を活用して事業化した。

予約はLINEで行う

「三和区中高生デマンドタクシー(さんわデマンド)」は、高田地区の塾に通う中学生もいることから区内在住の中高生が対象。ジャンボタクシー(定員9人)またはタクシー(定員4人)が、高田駅や各高校に近い南新町と南城町2のコンビニエンスストア、本城町の市立高田図書館の計4か所で生徒を乗せ、区内の自宅近くまで送り届ける。運行時刻は路線バス運行終了後の午後6時35分発と午後7時35分発の2便がある。

運行は平日のみで、学校の長期休業期間は運行しない。利用料金は1回500円で、事前に乗車券を必要枚数購入しておき、当日乗務員に渡す。予約はスマートフォンのコミュニケーションアプリ「LINE」で行い、乗車当日の正午まで受け付ける。

区総合事務所は保護者にPRするなどし4月下旬から受け付けを開始したが、アンケート調査結果に反し申し込みが低調だったためスタートを1か月遅らせ、実際に乗車予約があった7月から運行を開始した。

車両はジャンボタクシーまたはタクシーを使用

初日の7月2日に高田駅から乗車した女子高生3人は、「今日は親が迎えに来られないので利用した。LINEで簡単に予約できるのがいい」「路線バスだと500円より高くなる」「部活をしているとバスには間に合わないし、選択肢が増えた。特に冬場に利用したい」とそれぞれ話し、好評だった。

同区総合事務所では「実証実験として運行しているので、時間帯や乗車場所なども保護者や生徒の意見を聞きながら見直しも行っていく。ぜひ利用してほしい」と呼び掛けている。

申し込みは三和コミュニティプラザ(井ノ口)内の三和区振興会で受け付けている(平日午前8時30分〜午後5時)。問い合わせは三和区総合事務所025-532-2323

記事参照元:上越タウンジャーナル