虐待相談増加などへ対応 児童の一時保護所増築 上越児童相談所
県上越地域振興局・上越児童相談所(熊倉克巳所長)が上越市内に設置する、児童の「一時保護所」の増築工事がこのほど完了した。居室や設備の拡充や受け入れ体制の強化を行い、本年度から運用を開始した。
旧施設は昭和55年建設。老朽化や、近年増加傾向にある児童虐待相談への対応などを目的に、令和4年度に増築工事を実施した。
新施設は木造2階建て延べ床面積は旧施設の約2倍となる356・90平方メートル。浴室やトイレ、個室を増やすなど、児童のプライバシーや感染症対策に配慮したしつらえ。総事業費は、本年度に予定している上越児童相談所の改修工事費を含め2億2637万円。
県の児童相談所は県内6カ所に設置されている。上越児童相談所は上越、糸魚川、妙高3市を管轄。子どもに関する家族などからの相談を受け、緊急性がある場合などは一時保護を行う。原則として対象は18歳まで。保護期間は2カ月間とし、それ以外は個別の状況に合わせて処遇を検討している。
3月30日に行われた報道機関向けの説明会で、熊倉所長は「望んで来るわけではない子どもたちへ、明るさや清潔さなどの物理的、受け入れられているという心理的な『安心』を提供することが(一時保護所の)最大の目的」と話した。
記事参照元:タイムスLite