まもなく無人化!インド風寺院の残る親鸞ゆかりの宿場町の駅 信越本線 柿崎駅

柿崎駅

北陸新幹線の開通で一部が廃止・三セク化されたことによって分断された信越本線。もはや昔日の面影はほとんどないが、今なお幹線らしい雰囲気を残しているのが新潟県内の直江津駅から長岡駅を経て新潟駅に至る区間だ。直江津を出てから6駅目の柿崎駅だ。特急「しらゆき」の停車駅だが、3月16日から無人化される。

改札口
改札口

駅舎は平成20(2008)年9月26日より供用開始されたもので、コンクリート打ちっぱなしの外観が特徴だ。入って左手に冷暖房完備の待合室、右手に券売機と窓口がある。以前はみどりの窓口もあったが、令和5(2023)年2月28日で営業を終了した。右手奥が改札口になっているのは、ホーム裏手の日本海からの風が吹き込みにくいようにとの工夫だろう。この駅舎は平成21(2009)年度の鉄道建築協会賞作品部門を受賞した。

ホーム
ホーム

柿崎駅は明治30(1897)年5月13日、北越鉄道の春日新田(廃止、直江津と黒井の間にあった)~鉢崎(現:米山)間の開業に合わせて設置された。

ホームは2面3線で、駅舎側の1番線を直江津方面、一番遠い3番線を柏崎・長岡方面の列車が使用している。2番線は退避列車や始発列車などが使用するが、その頻度は低い。駅裏手は空き地で、その向こうには荒々しい日本海が控えている。

柿崎の町並み
柿崎の町並み

駅がある上越市柿崎区は平成17(2005)年1月1日に上越市に編入されるまで中頸城郡柿崎町だったところで、江戸時代には北国街道の宿場町として栄えていた。駅前は袋小路で、坂を上がったところに中心市街地が形成されている。

扇谷山浄福寺
扇谷山浄福寺

柿崎には風格ある近代建築の寺院が二つも残されている。浄福寺は親鸞の弟子・善順が鎌倉時代に開いた寺院で、昭和2(1927)年に建てられた本堂は国の登録有形文化財だ。東京銀座の歌舞伎座を模したコンクリート建築で、2度の地震にも耐えた。扇谷山の名は武士だったころの善順(井上忠長)が鎌倉の扇ヶ谷に住んでいたことに由来する。

川越山浄善寺
川越山浄善寺

浄善寺も親鸞ゆかりの寺院だ。承元の法難で越後に流罪になった親鸞が、旅の途中当地で宿泊し、念仏の教えを説いたのだと伝わる。大正末期から昭和3(1928)年にかけて建設された本堂はインドパゴダ様式の「モダン寺」でこちらも国の登録有形文化財だ。同じくインドパゴダ様式の寺院で知られる築地本願寺よりも古く、築地本願寺を設計した建築家の伊藤忠太もこの寺を見学して参考にしたのだと言われている。

信越本線を旅する際は柿崎駅で途中下車して親鸞ゆかりの二つの寺院を訪ねてみてはいかがだろうか。

記事参照元:Yahooニュース