【TJ調査隊】溶けたらどうなる? 老舗和菓子店の溶けない「くずアイス」

あっという間に梅雨が明けた新潟県上越市。同市の老舗和菓子店「大杉屋惣兵衛」では、葛粉を使った“溶けないアイス”の「くずアイス」が密かな人気となっている。「溶けても液状にならず、滴がしたたり落ちない」というが、実際に溶けたらどうなるのか。約30分間、観察してみた。

大杉屋惣兵衛の「くずアイス」

同店のくずアイスは、白い「濃厚ミルク」とオレンジ色の「さっぱりみかん」の2種類。10分、20分と時間の経過とともに色が濃くなり溶けている感じもするが、長方形の角もしっかりあり、通常のアイスキャンディーのように液体にはならない。30分後、棒を持ち上げると、プルプルとした葛餅のようになった。

こちらがその動画↓

同店によると、くずアイスは新型コロナウイルスの影響で生まれた。2020年夏、高田城址公園観蓮会に合わせコロナ禍の中で開催された、和菓子店や料理店が新商品を発表し客から意見を募るイベント「うんめいもんテイクアウトin百年商店街」で、ハスの実を入れたくずアイスを考案。子どもでも安心して食べられるよう昨年からハスの実入りはやめ、生クリームと牛乳の濃厚ミルクと、オレンジジュースにミカンを入れたさっぱりみかんの2種類にした。

葛粉と寒天で作り凍らせているため、時間がたって溶けても液体にはならない。また歯が立たないほどガチガチには凍らないので、最初は「シャリシャリ」とした食感、やがて「もちもち」に変化する不思議なアイスだ。

今年は「アイスないですか」という客からの要望で、昨年よりも2か月以上早く5月中旬から販売を始めた。ゆっくり食べても溶けてなくならないので、特に小さな子ども連れの客に好評だという。溶けて葛餅のようになったら、再冷凍して再びアイスにしても、そのまま食べてもいい。

くずアイスは「濃厚ミルク」と「さっぱりみかん」の2種類

1本194円。「フルーツなどをたくさん入れるといいのかもしれないが、値段が高くなって子どもが気軽に買えなくなる」(製造担当の宮越雅士さん)と、ミカンは缶詰を使い価格を抑えている。和菓子店ならではのしつこくない、あっさりとしたほのかな甘味と冷たさが独特の食感とともに口の中に広がる。猛暑の夏にぴったりだ。

宮越さん(49)は「和菓子店らしい、ほどよいやさしい甘さでこの夏を乗り切ってほしい」と話している。

本町5の本店(木曜定休)、本町3のお馬出し店(水曜定休)で販売している。地方発送可。問い合わせはお馬出し店025-525-2501

記事参照元:上越タウンジャーナル

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