新潟上越・人気ラーメン店「食房なかむら」、常連の和食料理人が継承

昨秋に閉店した新潟県上越市吉川区長峰の人気ラーメン店「食房なかむら」の味と店舗を引き継いだ「食房まさ」がオープンした。ファンに支持された豚骨ラーメンを、常連だった和食料理人、吉田浩之さん(55)=同市大潟区=が残そうと一念発起した。

なかむらは1996年、食肉関係の会社に務めていた中村裕治さん(73)が脱サラして柿崎区に開業。8年ほど前に県道新井柿崎線に面する現在地に移転した。

中村さんはほぼ独学でメニューを開発。18時間煮込んだ豚骨スープのラーメンのほか、ラーメンにタレカツ丼などを組み合わせた日替わり定食で人気を集めた。

ただ、中村さんは調理場に立ち続けることが体力的に厳しくなり、「倒れて周囲に迷惑をかける前に」と昨年11月に店を閉じた。多くのファンが交流サイト(SNS)を通じて閉店を惜しんだ。

「なかむらの味が失われるのはもったいない」。そう考えたファンの一人に吉田さんがいた。新型コロナウイルスの影響で2020年6月末に閉館した大潟区の「鵜の浜ニューホテル」に約30年間勤め、料理長として腕を振るった。なかむらには仕事帰りに寄り、休みの日には家族と通った。

メニューはなかむら時代のものを踏襲。スープをはじめ、メンマや丼ものまで中村さんから年明け以降、教わってきた。吉田さんは「和食とはこだわる部分が違い、学ぶことがいっぱい。中村さんの味に近づけたい」と熱意を語った。

オープンした7日、なかむらの常連が続々と来店。「おいしさは変わらない。この味を続けてほしい」と評判も上々だ。

しばらくは中村さんも調理場に立ち、吉田さんに指導する。中村さんは「俺よりも調理経験が長いから、おいしいものを作ってくれるはず」とエールを送る。

「食房なかむら」を経営していた中村裕治さん(左)と、その味を引き継いだ「食房まさ」の吉田浩之さん=上越市吉川区長峰

 

営業時間は午前11時〜午後2時。水曜定休。問い合わせは025(548)2535。

記事参照元:新潟日報デジタルプラス

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